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「ゴルフボールって、技術の塊」Vol.2 2022年8月17日
お盆はゆっくり出来ましたでしょうか?
私は地元の高知県には帰省しなかったのですが、
SNS等で3年ぶりに開催された「よさこい祭り」の
映像を見て、夏を感じておりました。
「よさこい祭り」は踊り子達が本当に楽しそうで、
元気がもらえる祭りなので、見た事がない方は
ぜひ観て頂けたらと思います。
迫力がすごいので、リアルがおすすめです。
さて、本題です。
前回に引き続き、今回もリフレッシュネタとして、
「ゴルフボールって、技術の塊」という話になります。
前回は「中間層」までお話させて頂きました。
今回は「カバー層」以降についてお話していきます。
■カバー層
カバー層に使われる材料は大きく分けて、2種類あります。
一つ目は、「アイオノマー樹脂」です。
これは、中間層で主に使われるのと同じ材料ですね。
硬くて反発性能・耐久性能に優れるのが特徴です。
この材料を使う商品というのは、初級~中級の方を
ターゲットとしている場合が多いです。
全番手で飛距離を求めるユーザーですね。
カバー層に硬い材料を使うと、飛び出し条件が基本的に
「高打出し、低スピン」となり、飛距離が伸びやすいのです。
一方、ウェッジ等でも同様の傾向となるため、
「スピンを効かせてギュギュっと止めたい」
「低く打ち出して、ピンを狙いたい」などの要望には
応えにくいという一面もあります。
また、表面に硬い層が配置されますので、
打感が硬くなる傾向にあります。(特にパターで顕著)
二つ目は、「ウレタン樹脂」です。
こちらは柔らかくで粘性があり、耐傷性に優れるという
特徴があります。
この材料を使う商品というのは、
上級者やプロをターゲットとする事が多いです。
飛距離も求めるが、ウェッジでのスピン性能やパターでの
打感も求めるというバランスのとれた性能を求める
ユーザーに向けた商品ですね。
ウレタン樹脂は柔らかく、粘性が高いので、
ウェッジ等でスピンを掛けようと思った時に、しっかりと
変形をしてくれるため、高スピンにする事が出来るのです。
また、表面に柔らかい層が配置されますので、
打感が柔らかくなる傾向にあります。(特にパターで顕著)
■ディンプル
ゴルフボールの表面にある、凹凸をディンプルと呼びます。
あれ、何のためにあるか知っていますか?
実は、飛翔中に受けた空気抵抗を
揚力(浮き上がろうとする力)に変える事によって、
飛距離を伸ばすためにあるのです。
飛行機の翼と同じですね。
受けた空気抵抗を下方向に流す事で、機体を上に浮かせよう
という揚力に変えているのが飛行機の翼なんです。
実際に海外メーカーのディンプル開発者には
ボーイング出身の方がいると聞いた事があります。
このディンプルというのが曲者で、
0.1mm以下の精度で制御しないと飛翔性能が
大きく変わってしまうんです。
私が経験した事例でいうと、研磨を多くしすぎたせいで、
ディンプルが0.1mm浅く出来てしまった事があります。
このボールは高く上がりすぎてしまって、
20ヤード近く飛距離が出なくなり、
出荷停止になった事があります。
成形の精度だけでなく、その後の研磨、塗装、印刷などの
工程も含めて、0.1mm以下の精度で何千万個と
生産しなければいけないのがゴルフボールなのです。
というような具合に、実はゴルフボールにも様々な技術や
工夫が込められているのです。
これは全て、顧客が求める性能・要望を満たすためのものです。
大事なのは過剰品質になるのではなく、
顧客が求める性能・品質を届けてあげることなのです。
まだまだ書き足りない事はあるのですが、
今回はこの辺りにさせて頂きます。笑
リクエスト等ありましたら、またお届けさせて頂きます。
それでは、最後までお読み頂きありがとうございました。
次回配信をお楽しみに♪